皮膚科で薄毛の治療を受ける際、どのような治療法があり、そして気になる「保険適用」はどうなっているのでしょうか。治療の種類と保険適用の有無について解説します。まず、薄毛の原因が「特定の皮膚疾患」や「全身性の病気」である場合は、その治療が保険適用となる可能性があります。例えば、「円形脱毛症」の場合、その重症度に応じて、ステロイド外用薬や注射、紫外線療法、局所免疫療法などが保険診療で行われます。「脂漏性皮膚炎」に伴う脱毛であれば、原因となる炎症を抑えるための抗真菌薬やステロイド外用薬の処方が保険適用となります。また、甲状腺疾患や鉄欠乏性貧血などが原因で薄毛が起きている場合は、それぞれの原因疾患に対する治療（内科などでの治療）が保険適用となり、その結果として薄毛が改善することが期待されます。一方、男性の薄毛で最も多い「男性型脱毛症（ＡＧＡ）」や、女性の「女性男性型脱毛症（ＦＡＧＡ）」、「びまん性脱毛症」など、生命に直接関わる病気とはみなされない脱毛症に対する治療は、原則として「保険適用外」の「自由診療」となります。自由診療で行われる主な治療法としては、まず「薬物療法」があります。男性のＡＧＡに対しては、内服薬のフィナステリドやデュタステリド、外用薬のミノキシジルが用いられます。女性の薄毛に対しては、ミノキシジル外用薬が第一選択となることが多いです。これらの薬剤は、ＡＧＡやＦＡＧＡに対する有効性が認められていますが、保険適用外のため、薬剤費や診察料は全額自己負担となります。クリニックによっては、これらの薬物療法に加えて、「メソセラピー（成長因子注入療法など）」や「ＰＲＰ療法」といった再生医療系の治療法や、「ＬＥＤ照射療法」などを自由診療で行っている場合もあります。これらも保険適用外であり、費用は比較的高額になる傾向があります。このように、皮膚科での薄毛治療は、原因によって保険適用となる場合と、自由診療となる場合があります。ＡＧＡなど、保険適用外の治療が中心となるケースが多いのが現状ですが、まずは正確な診断を受けることが重要です。診察の結果、保険適用となる治療が可能か、あるいは自由診療となるのか、そして自由診療の場合の費用などについて、医師からしっかりと説明を受け、納得した上で治療を選択するようにしましょう。