更年期に起こる薄毛は、男性の薄毛（ＡＧＡ）のように生え際が後退するパターンとは異なり、特有の症状の現れ方をすることが多いと言われています。どのような変化に気づいたら、更年期による薄毛のサインかもしれないのでしょうか。その特徴的な症状を知っておきましょう。最も多く聞かれるのが、「分け目が目立つようになった」という悩みです。以前よりも分け目部分の地肌が透けて見えやすくなった、分け目の幅が広がったように感じる、といった症状です。これは、分け目周辺の髪の毛が細くなったり、密度が低下したりすることが原因で起こります。「頭頂部（つむじ周辺）のボリュームダウン」もよく見られる症状です。髪全体のハリやコシがなくなり、特に頭頂部がぺたんとして、地肌が見えやすくなります。自分で確認しにくい場所ですが、合わせ鏡を使ったり、家族に指摘されたりして気づくことがあります。このように、特定の部位が完全にはげるというよりは、頭部全体の髪の毛が均等に薄くなる「びまん性脱毛」のパターンを示すのが、更年期を含む女性の薄毛の特徴です。分け目や頭頂部が特に目立ちやすいのは、もともと毛量が少ない部分であったり、紫外線などの外部ダメージを受けやすい部位であったりするためと考えられます。また、髪質の変化も伴うことがあります。髪の毛一本一本が細く、弱々しくなり、ハリやコシが失われます。うねりやパサつきが出やすくなり、髪がまとまりにくくなったと感じる方もいます。抜け毛の増加もサインの一つです。シャンプー時やブラッシング時に、以前よりも明らかに抜け毛が増えたと感じる場合は注意が必要です。これらの症状は、徐々に進行していくことが多いため、日頃から自分の髪や頭皮の状態に関心を持ち、小さな変化を見逃さないことが大切です。もし、これらの症状に複数当てはまるようであれば、更年期による薄毛の可能性を考え、早めのケアや対策を検討し始めると良いでしょう。