フィナステリド(プロペシアなど)は、男性型脱毛症(AGA)治療において、毎日継続して服用することが基本となる薬です。しかし、忙しい毎日の中で、うっかり飲み忘れてしまうこともあるかもしれません。そんな時、「どうすれば良いのだろう?」「効果がなくなってしまうのでは?」と不安になる方もいるでしょう。フィナステリドを飲み忘れた場合の正しい対処法を知っておくことは、安心して治療を続けるために重要です。まず、飲み忘れに気づいた場合の基本的な対処法です。もし、飲み忘れに気づいた時間が、いつもの服用時間からそれほど経っていない場合(例えば、12時間以内を目安とする考え方もありますが、厳密な基準はありません)、気づいた時点で速やかに1回分(通常は1錠)を服用してください。そして、翌日からはまた通常の時間に服用を再開します。一方で、飲み忘れに気づいたのが翌日の服用時間に近くなっている場合(例えば、前日の分を飲み忘れて、翌日の服用時間直前に気づいた場合など)は、飲み忘れた分は服用せず、その日の通常の服用時間に1回分(1錠)だけを服用してください。つまり、1回分はスキップすることになります。ここで絶対にやってはいけないのが、「飲み忘れた分を取り戻そうとして、一度に2回分(2錠)を服用すること」です。フィナステリドは、用量を増やしても効果が高まるという証拠はなく、むしろ副作用のリスクを高める可能性があります。必ず1回の服用量は守ってください。飲み忘れが1日程度であれば、AGAの進行に大きな影響が出る可能性は低いと考えられます。しかし、飲み忘れが頻繁に起こると、体内の薬物濃度が不安定になり、十分な治療効果が得られにくくなる可能性があります。飲み忘れを防ぐための工夫をすることが大切です。