施術はどう進む?注入療法の実際

頭皮に直接成分を注入すると聞くと、「痛そう」「どんな流れで行うのだろう」と不安に感じる方もいるかもしれません。メソセラピー(ここでは主に薄毛治療を想定)の実際の施術がどのように進められるのか、一般的な流れと痛みへの対策についてご紹介します。まず、施術前には必ず医師による診察とカウンセリングが行われます。頭皮や毛髪の状態、薄毛の進行度、既往歴、アレルギーの有無などを確認し、メソセラピーが適しているか、どのような成分を注入するのが効果的かなどを判断します。治療内容や期待される効果、リスク、費用などについて十分な説明を受け、納得した上で治療に進むことが大切です。施術当日は、まず頭皮の消毒が行われます。衛生的な環境で施術を行うことが重要です。次に、有効成分の注入が行われます。注入方法にはいくつか種類があります。「注射器を用いる方法」では、医師が細い針を使って、有効成分を頭皮の浅い層に少量ずつ、丁寧に注入していきます。注入する深さや間隔は、医師の技術と経験によって調整されます。「ダーマペン」などの特殊な機器を用いる方法もあります。これは、極細の針が高速で振動し、頭皮に微細な穴を開けながら、同時に有効成分を浸透させていく方法です。針の深さを調整できるため、均一な深さに成分を届けることが可能です。「エレクトロポレーション(電気穿孔法)」や「イオン導入」といった、針を使わずに電気の力を利用して成分を浸透させる方法もあります。これらは痛みがほとんどないのがメリットですが、注入深度は注射などに比べて浅くなる傾向があります。施術中の「痛み」については、注入方法や個人の痛みの感じ方によって異なります。注射器を用いる場合は、チクッとした痛みを感じることがあります。クリニックによっては、痛みを軽減するために、事前に頭皮に麻酔クリームを塗布したり、冷却装置を用いたり、あるいは注入時の振動で痛みを緩和する工夫などがなされています。針を使わない方法では、痛みはほとんど感じないとされています。施術時間は、注入範囲や方法によって異なりますが、一般的には15分から30分程度で終了することが多いようです。施術直後は、頭皮に赤みや軽い腫れ、点状の出血が見られることがありますが、通常は数時間から数日で治まります。当日のシャンプーが可能かどうかなど、施術後の注意点についても医師から説明があります。