40代後半、仕事も子育ても一段落し、自分のための時間が増えるかと思っていた矢先、気づいたのが髪の変化でした。シャンプー時の抜け毛が増え、ドライヤーで乾かしても、以前のようなふんわり感がなく、分け目がぺたんと地肌にはりつく感じ。鏡で頭頂部を見ると、明らかに地肌が透けて見える範囲が広がっていました。「これが更年期ってやつ…?」と、漠然とした不安と焦りを感じました。女性としての自信が揺らぐような、なんとも言えない寂しい気持ちになったのを覚えています。最初は、ドラッグストアでエイジングケア用のシャンプーやトリートメントを試しました。少し髪のまとまりは良くなった気はしましたが、根本的なボリュームダウン感は変わりません。次に、髪に良いとされる黒豆やナッツ類を意識して食べるようにしましたが、それだけで劇的な変化はありませんでした。悩みが深くなるにつれ、外出するのも少し億劫になり、帽子が手放せなくなりました。このままではいけない、と思い、婦人科系の悩みもあったので、かかりつけの婦人科医に相談してみました。先生は、「更年期にはホルモンバランスの変化で髪にも影響が出やすいんですよ。よくあることだから、あまり深刻に考えすぎないで」と優しく言ってくださり、それだけでも少し気持ちが楽になりました。そして、「専門的なことは皮膚科の先生に相談してみると良いですよ」とアドバイスをくれました。そこで、紹介された皮膚科を受診。マイクロスコープで頭皮の状態を見てもらい、やはり加齢とホルモンバランスの変化による薄毛(FAGAの初期段階)だろうという診断でした。治療法として、ミノキシジルの外用薬を提案されましたが、まずは生活習慣の見直しと、頭皮ケアをしっかり行うことから始めてみては、ということになりました。それからは、食事内容に気を配り、特にタンパク質と亜鉛を意識。夜更かしをやめて、睡眠時間を確保。週末にはウォーキングを始めました。シャンプーも、先生に勧められた低刺激のものに変え、頭皮マッサージも日課にしました。数ヶ月続けた頃、劇的な変化はないものの、抜け毛の量が少し減り、髪に少しハリが出てきたように感じました。何より、自分の体と向き合い、ケアをしているという意識が、前向きな気持ちにさせてくれました。