薄毛をカバーする方法として、「ヘアエクステンション(エクステ)」と「ウィッグ(かつら)」はよく比較される選択肢です。自分にはどちらの方法が合っているのか、それぞれの違いを理解して検討しましょう。まず、「カバー範囲と目的」が異なります。エクステは、自分の髪の毛に毛束を接続していくため、自毛がある程度残っていることが前提となります。主に、部分的なボリュームアップや、髪の密度を高めて地肌の透け感をカバーするのに適しています。一方、ウィッグは、頭部全体または部分的に被ることで、広範囲の薄毛や全頭脱毛までカバーすることができます。髪型や髪色を大きく変えたい場合にも有効です。次に、「装着方法と日常の手入れ」の違いです。エクステは、一度装着すると数週間から数ヶ月間は付けたまま生活します。そのため、自分の髪と同じようにシャンプーやドライヤーを行いますが、接続部分に配慮した丁寧なケアが必要です。定期的なメンテナンス(付け直しなど)も必要になります。ウィッグは、基本的には自分で着脱します。毎日のお手入れとしては、ウィッグ自体のブラッシングや、定期的なシャンプーが必要です。自毛の手入れとは別に、ウィッグの手入れの手間がかかります。「自然さ」については、どちらも技術や品質によって大きく左右されます。エクステは自毛に馴染ませるため、うまく施術されれば非常に自然に見えますが、接続部分が見えたり、毛質が合わなかったりすると不自然になることもあります。ウィッグも、高品質な人毛や人工毛を使い、自分の頭の形に合わせて作られたものであれば、非常に自然に見えますが、安価なものやサイズが合わないものは不自然に見えやすいです。また、生え際部分の自然さもポイントになります。「費用」も異なります。エクステは、初回費用に加え、定期的なメンテナンス費用がかかります。使用する本数や毛質、サロンによって費用は変動しますが、長期的に見るとコストがかさむ可能性があります。ウィッグは、購入時にまとまった費用がかかります。オーダーメイドか既製品か、人毛か人工毛かなどで価格は大きく異なりますが、高品質なものほど高価になります。手入れ用品などのランニングコストもかかります。どちらを選ぶかは、薄毛の状態、カバーしたい範囲、ライフスタイル、予算、そして手入れにかけられる時間などを総合的に考慮して判断する必要があります。