抜け毛が増えた、生え際が後退してきた、頭頂部が薄くなった気がする。男性型脱毛症（ＡＧＡ）かもしれないと感じたとき、インターネットで情報を集め、自分で対策をしようと考える方は少なくありません。しかし、ＡＧＡの悩みに関して「自己判断」は非常に危険です。なぜ専門家への相談が必要なのか、その理由を理解しておきましょう。まず、薄毛の原因はＡＧＡだけではない、という点です。円形脱毛症、脂漏性皮膚炎に伴う脱毛、あるいは他の病気が原因である可能性もあります。自己判断でＡＧＡと思い込み、市販の育毛剤などを使っても、原因が違えば効果はありません。それどころか、本来必要な治療を受ける機会を逃し、症状が悪化してしまうリスクがあります。次に、ＡＧＡは「進行性」の疾患であるという点です。放置すれば、基本的には薄毛は徐々に進行していきます。自己流のケアで時間を浪費している間に、ＡＧＡが進行し、治療による改善が難しくなってしまう可能性も否定できません。早期に正確な診断を受け、適切な対策を開始することが、進行を食い止める鍵となります。また、ＡＧＡ治療には医学的な知識が必要です。現在、ＡＧＡに対して有効性が認められている治療薬（フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど）がありますが、これらは医薬品であり、副作用のリスクも伴います。自己判断で個人輸入した薬を使用するなど、医師の管理外で治療を行うことは、深刻な健康被害につながる恐れがあり、非常に危険です。専門医は、あなたの状態を正確に診断し、医学的根拠に基づいて、効果と安全性のバランスを考慮した最適な治療法を提案してくれます。治療の経過観察や副作用への対応も行ってくれるため、安心して治療に取り組むことができます。薄毛の悩みはデリケートですが、自己判断によるリスクは想像以上に大きいのです。不安や疑問を感じたら、まずは勇気を出して専門家への相談という一歩を踏み出すことが、解決への最も確実で安全な道筋と言えるでしょう。