O字型?頭頂部薄毛の進行を知る

男性型脱毛症(AGA)による薄毛の進行パターンはいくつかありますが、頭頂部から薄くなっていくタイプは「O字型」と呼ばれ、非常に多く見られる典型的なパターンの一つです。このO字型脱毛がどのように進行していくのかを知っておくことは、自身の状態を把握し、今後の見通しを立てる上で役立ちます。O字型脱毛は、その名の通り、頭頂部(つむじ周辺)を中心に、円を描くように薄毛が広がっていくのが特徴です。初期段階では、つむじ周辺の髪が少し細くなり、密度が低下し始める程度で、自分ではなかなか気づきにくいこともあります。美容師さんや家族から指摘されて初めて意識する、というケースも少なくありません。進行するにつれて、髪の軟毛化(細く短くなること)が進み、地肌が透けて見える範囲が徐々に広がっていきます。つむじの渦が不明瞭になり、円形の薄毛部分がはっきりと認識できるようになります。さらに進行すると、この円形の薄毛部分の直径が大きくなり、頭頂部全体の髪がかなり薄い状態になります。AGAの進行度を示す指標として「ハミルトン・ノーウッド分類」がありますが、O字型脱毛はこの分類の中でも、主に頭頂部の薄毛(Vertexパターン、V型)として評価されます。初期の段階(Ⅱ型Vertexなど)から始まり、進行するとⅢ型Vertex、Ⅳ型、Ⅴ型…と数字が大きくなるにつれて、薄毛の範囲が広がっていきます。最終的には、前頭部の薄毛(M字型)と頭頂部の薄毛(O字型)が繋がって、広範囲が薄くなるU字型の状態(Ⅵ型、Ⅶ型)に至ることもあります。AGAは進行性の脱毛症であり、基本的に自然治癒することはありません。O字型脱毛も、放置すれば徐々に、あるいは比較的急速に進行していく可能性が高いのです。進行のスピードには個人差があり、遺伝的要因や生活習慣などが影響すると考えられています。もし、頭頂部の薄毛がO字型に進行していることに気づいたら、それはAGAである可能性が非常に高いと言えます。進行を食い止め、改善を目指すためには、できるだけ早い段階で専門医に相談し、医学的な治療(内服薬や外用薬など)を開始することが推奨されます。進行パターンを知ることで、危機感を持ち、適切な行動をとるきっかけとしましょう。