鏡を見るたび、あるいはふとした瞬間に、頭頂部、つむじ周りの髪が薄くなったように感じる。これは多くの女性が経験する可能性のある悩みです。男性の薄毛とは原因や症状の現れ方が異なる場合が多く、その背景を理解することが大切です。女性の頭頂部薄毛の主な原因として考えられるのが、「びまん性脱毛症」です。特定の部位だけでなく、髪全体が均等に薄くなるタイプで、特に分け目や頭頂部で地肌が透けて見えやすくなります。加齢による毛髪の変化、ホルモンバランスの乱れ、栄養不足、ストレスなどが複合的に関わっていることが多いとされます。また、「女性男性型脱毛症（ＦＡＧＡ）」も原因の一つです。男性ホルモンの影響で髪の成長期が短くなり、髪が細くなることで薄毛が進行します。女性の場合、頭頂部の分け目を中心に薄くなるパターンが特徴的です。特に更年期以降に目立ちやすくなります。「加齢」そのものも避けられない要因です。年齢とともに毛母細胞の働きは低下し、髪は細く、ヘアサイクルも乱れがちになります。「生活習慣の乱れ」も影響します。無理なダイエットによる栄養不足、睡眠不足、慢性的なストレスは、頭皮環境やホルモンバランスに悪影響を与え、髪の健やかな成長を妨げます。その他、頭皮の炎症（脂漏性皮膚炎など）や、甲状腺疾患などの病気、薬剤の副作用が原因となることもあります。このように、女性の頭頂部の薄毛は、複数の要因が絡み合っていることが少なくありません。原因によって適切な対策も異なるため、まずは自分の状態を把握し、必要であれば専門医に相談することが重要です。