飲み忘れがあることを医師に伝えるのは、今後の治療方針を考える上で非常に重要なことです。正直に伝え、相談するためのポイントをお伝えします。まず、なぜ正直に伝えることが重要なのかを理解しましょう。医師は、患者さんが指示通りに薬を服用していることを前提として、治療効果を評価したり、今後の治療方針を考えたりします。もし、飲み忘れが多いにも関わらず、それを伝えずに「効果が出ない」とだけ訴えた場合、医師は「薬の効果が不十分だ」と判断し、薬の変更や増量（ただしフィナステリドの増量は通常行われません）、あるいは他の治療法の追加などを検討するかもしれません。しかし、実際には飲み忘れが原因で効果が出ていないのだとしたら、それは適切な判断とは言えません。飲み忘れの事実を伝えることで、医師は「まずは飲み忘れをなくす工夫をしましょう」というアドバイスをくれたり、あるいは生活リズムに合わせた服用タイミングの変更を提案してくれたりするかもしれません。正確な情報が、より的確な治療計画に繋がるのです。では、どのように伝えれば良いでしょうか。診察の際に、正直に、そして具体的に伝えることが大切です。「最近、仕事が忙しくて、週に２回くらい飲み忘れてしまうことがあります」「朝飲むのを忘れて、夜に気づくことが多いです」といったように、どのくらいの頻度で、どのような状況で飲み忘れやすいのかを具体的に伝えましょう。決して、責められたり怒られたりすることはありません。医師は、患者さんが治療を継続できるようにサポートするのが役割です。「飲み忘れてしまう自分が悪い」と卑下する必要はありません。むしろ、「どうすれば忘れずに続けられるか、一緒に考えてほしい」という姿勢で相談することが大切です。飲み忘れの原因として考えられること（例えば、特定の曜日に忘れやすい、持ち歩くのを忘れるなど）があれば、それも伝えると良いでしょう。医師や、場合によっては薬剤師も、ピルケースの活用やリマインダー設定など、具体的な飲み忘れ防止策をアドバイスしてくれます。飲み忘れは、誰にでも起こりうることです。それを隠さずに正直に伝え、専門家と一緒に解決策を探っていくことが、結果的にＡＧＡ治療を成功させるための近道となるのです。