脱毛症の進行パターンM字O字U字

男性型脱毛症(AGA)は、人によって進行の仕方やパターンが異なりますが、いくつかの典型的な型に分類することができます。自分の薄毛がどのパターンで進行しているかを知ることは、AGAである可能性を判断したり、進行度を把握したりする上で役立ちます。国際的にも広く用いられている「ハミルトン・ノーウッド分類」などを参考に、主な進行パターンを見ていきましょう。最も一般的なパターンの一つが、「M字型」と呼ばれる生え際からの後退です。額の左右の剃り込み部分が、アルファベットの「M」の字のように後退していくのが特徴です。最初はわずかな後退でも、徐々にM字の角度が深くなり、進行すると前頭部が広く見えるようになります。AGAの初期症状として現れることが多いパターンです。次に多いのが、「O字型」と呼ばれる頭頂部からの薄毛です。つむじ周辺を中心に、円を描くように髪が薄くなり、地肌が透けて見える範囲が広がっていきます。自分では気づきにくい場所のため、進行してから発見されることもあります。「V字型(Vertexパターン)」とも呼ばれます。M字型とO字型は、それぞれ単独で進行する場合もありますが、両方が同時に進行するケースも少なくありません。例えば、生え際がM字型に後退しつつ、同時に頭頂部もO字型に薄くなっていくパターンです。さらに進行が進むと、前頭部の後退部分と頭頂部の薄毛部分がつながり、前頭部から頭頂部にかけての広範囲が薄くなる「U字型」と呼ばれる状態に至ります。これは、ハミルトン・ノーウッド分類では進行度が高いステージ(Ⅵ型やⅦ型)に該当します。この段階になると、側頭部と後頭部の髪だけが残る形になります。これらのパターンが典型的なのは、前述の通り、前頭部と頭頂部の毛根がAGAの原因となる男性ホルモン(DHT)の影響を受けやすいためです。自分の薄毛がどのパターンに当てはまるかを確認することは、AGAの可能性を判断する上で重要な手がかりとなります。進行パターンを把握し、必要であれば早めに専門医に相談しましょう。