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ストレス性脱毛症(円形脱毛症)とAGAの違い
「ストレスで髪が抜ける」と聞いた時、多くの人が思い浮かべるのが、円形脱毛症ではないでしょうか。しかし、ストレスが関与する薄毛には、円形脱毛症の他にも、AGA(男性型脱毛症)の悪化など、様々な形態があります。これらは原因も症状も異なるため、自分がどちらのタイプなのかを見極めることが、適切な対策への第一歩となります。まず、「円形脱毛症」は、ストレスが引き金となりやすい代表的な脱毛症ですが、その直接的な原因は「自己免疫疾患」であると考えられています。何らかのきっかけで免疫機能に異常が生じ、本来は体を守るはずのリンパ球が、自身の毛根を異物と間違えて攻撃してしまうことで、髪の毛が突然抜け落ちる病気です。その名の通り、コインのような円形や楕円形に、境界がはっきりとした脱毛斑が現れるのが最大の特徴です。AGAのように特定の部位から徐々に薄くなるのではなく、「ある日突然、ごっそりと抜ける」という形で発症します。ストレスは、この免疫異常を引き起こす、あるいは悪化させる誘因の一つとされています。一方、「AGA(男性型脱毛症)」は、遺伝的素因と男性ホルモンが主な原因で起こる、進行性の脱毛症です。ストレスは、AGAの直接的な原因ではありません。しかし、ストレスによる血行不良やホルモンバランスの乱れは、AGAの進行を著しく「加速させる悪化因子」となります。AGAの素因を持っている人が強いストレスに晒されると、薄毛の進行スピードが速まることがあるのです。症状の現れ方も異なり、AGAは生え際(M字部分)や頭頂部(O字部分)から、徐々に髪が細くなり、時間をかけて薄くなっていくのが特徴です。また、ストレスによる脱毛症には、「休止期脱毛症」というタイプもあります。これは、強い精神的・肉体的ストレスが原因で、多くの髪が一斉に成長を止め、「休止期」に入ってしまうことで、頭部全体からびまん性(全体的に)に髪が抜ける症状です。出産後や過度なダイエット後にも見られます。このように、ストレスが関わる脱毛症にも種類があります。円形に突然抜けたなら円形脱毛症、全体的に抜けるなら休止期脱毛症、そして、M字やO字から徐々に薄くなるのが加速したならAGAの悪化。症状の現れ方を冷静に観察し、早めに皮膚科や専門クリニックを受診して、正確な診断を受けることが何よりも重要です。